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パワコンが熱い?太陽光発電の“温度異常”による不具合と正しい対処法

  • 執筆者の写真: 優 中野
    優 中野
  • 4月21日
  • 読了時間: 2分

更新日:7月29日

太陽光発電の心臓ともいえる「パワーコンディショナー(パワコン)」。

夏になると、このパワコンが異常停止したり、発電量がガクッと落ちてしまうケースが急増します。その原因の多くは、“温度異常”です。

今回は、そんな温度異常が起きる仕組みや兆候、そして防ぐための対策を詳しくご紹介します。



【1. パワコンの温度異常とは?】


パワコンは発電時に発生する熱を内部ファンや放熱フィンで逃がしながら動作しています。しかし、外気温の上昇や通気不足などが原因で安全限界温度を超えると、自動的に出力を抑えたり、運転を停止してしまいます。これが「温度異常」です。



【2. よくある症状と兆候】


  • エラーコードや温度警告の表示

  • 発電量が急激に低下

  • パワコン表面が異常に熱い

  • 発電が止まり、一定時間後に自動復帰(を繰り返す)



【3. 温度異常の原因】


● 設置環境の影響


  • 密閉された倉庫や物置内

  • 西日が長時間当たる場所

  • 壁にぴったりと設置され風通しがない


● 内部冷却機構の劣化


  • ファンの動作不良や経年劣化

  • ヒートシンクへのホコリ付着、虫の侵入

  • 長年使用による部品の劣化(10年以上経過など)


● 発電量とパワコン容量のアンバランス


  • 常に高出力運転が続いてパワコンがオーバーワーク状態に



【4. 温度異常によるリスク】


  • 発電・売電のロス

  • システムの不安定化(再起動を繰り返す)

  • 機器寿命の短縮

  • 最悪の場合、パワコンの故障に発展



【5. 効果的な対策】


■ 応急処置


  • 日中のブレーカーOFF → 再起動でリセット

  • 仮設の遮熱対策(遮光シート・日よけの設置)




■ 本格的な予防策


  • 設置場所の風通しを確保・見直し

  • 年1回のフィルター清掃、吸気口の点検

  • 経年劣化したパワコンの交換検討(目安10年)



【6. 専門点検のすすめ】


温度異常は、一見しただけでは気づきにくい不具合です。

冷却ファンのわずかな異音や内部部品の劣化など、専門知識と経験がないと見落とされやすいポイントが多く存在します。



【まとめ】


パワコンの温度異常は、見過ごされがちな太陽光発電の“隠れトラブル”です。

とくに高温期はリスクが高まるため、「発電量が減った」「異常な音がする」などのサインを感じたら、早めの点検が大切です。


下記ブログページにて、より詳しい内容をまとめております。

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