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太陽光架台のスクリュー杭沈下・傾斜問題とその対策

  • 執筆者の写真: 優 中野
    優 中野
  • 3月6日
  • 読了時間: 3分

更新日:4月15日

1. スクリュー杭の沈下・傾斜とは?

太陽光発電設備の架台を支えるスクリュー杭は、地盤に直接埋め込むことで強度を確保する構造です。しかし、適切な施工や地盤調査を行わないと、時間の経過とともに沈下や傾斜が発生し、架台の安定性に悪影響を与えます。この問題が発生すると、発電効率の低下やメンテナンスコストの増加につながるため、事前の対策が重要です。



2. スクリュー杭が沈下・傾斜する主な原因

(1) 軟弱地盤

スクリュー杭は、地盤の強度に依存します。軟弱地盤(湿地・埋立地・粘土質土壌など)では、杭が支えきれずに沈下する可能性があります。


(2) 地盤調査不足

施工前の地盤調査を省略すると、適切な杭の種類や長さを選定できず、不安定な状態での施工となるため、後々沈下のリスクが高まります。


(3) 施工不良

  • 打ち込み深さ不足:スクリュー杭が適切な深さまで打ち込まれていないと、十分な支持力を確保できません。

  • 回転トルクの不足:杭を地盤に埋め込む際に適切なトルクをかけないと、しっかり固定されずに後から沈み込むことがあります。


(4) 水の影響

降雨や地下水の影響で地盤が流動化すると、杭が沈下したり傾いたりするリスクが高まります。特に、排水対策が不十分な現場ではこの問題が発生しやすいです。


(5) 地震・振動の影響

地震や重機の振動により、杭が傾くことがあります。特に、砂質土壌では液状化現象が発生し、杭が沈下することも考えられます。



3. 沈下・傾斜が引き起こす不具合

(1) 架台の傾きによる発電効率の低下

パネルの角度が変わることで、日射量が適切に確保できず、発電効率が低下します。


(2) 配線・コネクタ接続部の負担増加

架台の変形により、配線やコネクタ接続部に過度なストレスがかかり、断線や故障のリスクが高まります。


(3) 強風・積雪による破損リスクの増大

傾いた架台は風圧や積雪荷重を受けやすくなり、破損や倒壊の危険性が高まります。


(4) メンテナンスコストの増加

補修や補強工事が頻繁に必要となり、長期的な運用コストが増大します。



4. スクリュー杭の沈下・傾斜を防ぐための対策

(1) 施工前の地盤調査を徹底する

沈下・傾斜を防ぐには、事前の地盤調査が不可欠です。ボーリング調査や簡易土質試験を行い、

  • 地盤の強度

  • 土壌の種類

  • 地下水の影響 を評価した上で、最適な杭の種類や施工方法を決定します。


(2) 適切なスクリュー杭を選定する

  • 軟弱地盤では、より長く・太い杭を使用する


(3) 施工の品質管理を徹底する

  • 適正な回転トルクで杭を埋め込む

  • 所定の深さまで確実に打ち込む

  • 施工後の杭の強度確認を行い、不安定な杭がないかチェックする


(4) 排水対策を講じる

  • 地表排水の改善(排水溝設置・暗渠排水)

  • 砕石敷設による水はけの向上

  • 雨水の流れを考慮したレイアウト設計


(5) 定期点検と早期補修

  • 設置後も定期的に杭の状態を確認し、傾きや沈下がないかチェックする

  • 軽微な傾斜が発生した場合は、補助杭の追加打設や補強工事を行う



5. まとめ

スクリュー杭の沈下・傾斜は、太陽光発電設備の安定運用に大きな影響を及ぼします。特に、地盤調査の不足や施工不良、排水対策の不備が原因で発生することが多いです。


・ 施工前の地盤調査を徹底

・ 適切な杭の選定・施工管理の徹底

・ 排水対策の実施

・ 定期点検と早期補修


これらの対策を講じることで、長期間にわたる安定した発電所運用が可能になります。

太陽光発電設備について不安がある方は、お気軽にお問い合わせください!最適な点検・メンテナンス方法をご提案いたします。

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